★☆フレーザー島で鯛☆★
My first short-term study abroad in Sydney was a refreshing experience, even though it lasted only three weeks. My host family was bright and kind, and especially my host mother went out of her way to suggest various activities to help me enjoy Australia.
One day, she recommended, “How about going on a tour to Fraser Island?” Fraser Island is the largest sand island in the world and is registered as a UNESCO World Heritage site. The activity of driving a four-wheel-drive vehicle along the sandy beaches is particularly famous. The adventurous spirit of Australia excited me, and I immediately decided to participate.
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初めてのシドニー短期留学。期間はたった3週間だったけれど、私にとっては全てが新鮮だった。
ホストファミリーは明るくて親切で、特にホストマザーは「これでもか!」というくらい
私にオーストラリアを楽しませようと色々提案してくれた。
ある日、彼女が「フレーザーアイランドの観光ツアーに行ってみたら?」と勧めてくれた。
フレーザー島は、世界最大の砂でできた島で、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
四輪駆動車で砂浜を走るアクティビティが特に有名だそう、
オーストラリアらしいアドベンチャー感に心が躍り、私は即座に参加を決めた。
当日、集合場所に行くと、すでに陽気なオージー(オーストラリア人)たちが集まっていた。
全員が笑顔で、なんだか楽しそう。ミニバスに乗り込むと、
ドライバーのお兄さんがこれまた陽気で、ツアー開始と同時にマイクを握り、
ジョークを連発し始めた。「HAHAHAHA!」
車内は笑い声の嵐。オージーたちは涙を流しながら大爆笑している。
でも、私はというと 何もわからない。
いや、本当に何一つわからない。
ドライバーの英語は早口で、しかもオーストラリアなまりが強い。
「これが噂のオージーイングリッシュなのかぁ~」と、私は窓の外の景色に意識をそらしながら、
ただ笑顔を作り一緒に笑っているふりをした。
ところが、途中からドライバーがやたらと「○○ダイ」という単語を連発し始めた。
「マンデイ、ダイ!」「サンデイ、ダイ!」
え、鯛?魚の話?ここは海だし、砂浜だし、魚の話題が出てもおかしくはないけれど
ただ、どう聞いても「鯛」の話をしているようにしか聞こえない。
しかも、オージーたちはそのたびに爆笑している。魚の話でこんなに笑えるものなのか?
私はますます混乱した。
「オーストラリアでは鯛がめちゃくちゃ面白い魚なのかな?」
そんなことを考えながら、私はひたすら窓の外の波打つ砂浜を眺め続けた。
ツアーが終わり、家に戻ると、ホストマザーが「どうだった?」と聞いてきた。私は正直に答えた。
「楽しかったんですけど、ドライバーさんが鯛の話ばっかりして、でも、みんなすごく笑ってました!」
すると、彼女は一瞬驚いた顔をした後、声を上げて笑い始めた。
「Oh my gosh! 鯛の話じゃないわよ!それ、曜日の話をしてたのよ。
オーストラリア人は『Day』を『ダイ』って発音するの。
Monday(マンダイ)とかSunday(サンダイ)とか!」
え!?鯛じゃなかったの!?
その瞬間、私の中で全てが繋がった。ドライバーが話していたのは、
どうやら曜日にまつわるジョークだったらしい。
オージーたちが笑い転げていたのも、魚の話が面白かったわけではなく、
ただ私が「Day=ダイ」と聞き取れなかっただけだったのだ。
「なるほど、これが異文化体験ってやつか!」
私は少し恥ずかしくなりながらも、なんだかおかしくて笑ってしまった。
英語に自信がないまま飛び込んだオーストラリアだったけれど、
こういう勘違いもまた、旅の醍醐味なのかもしれない。
次にまたオーストラリアに来るときは、「ダイ」のジョークを理解して、
みんなと一緒に笑えるようになりたい。そう心に誓った私だった。
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