◢◤やる気スイッチ③◢◤
③褒められたい少女・佐藤さん
佐藤さんは宿題をしっかりやってくる優秀な女生徒だ。
だが、最近彼女の表情が暗い。
「佐藤さん、どうしたの?」
「頑張ってるけど、なんだか疲れちゃって」
彼女のやる気スイッチは“誰かに認められること”にあると私は直感した。
「佐藤さん、いつも宿題を完璧にしてきて本当にすごいよ。
先生も君の努力を見ていて感心してる。」
そう伝えると、彼女の顔に笑顔が戻った。
やはり、彼女には“褒められる”という燃料が必要だったのだ。
私は今日もまた、生徒たちのやる気スイッチを探し続ける。
山田くんのスイッチはゲーム感覚、佐藤さんのスイッチは褒め言葉。
高橋くんは時間の使い方に問題有り、
しかし他の生徒たちのスイッチはまだまだ行方不明だ。
「先生、僕のスイッチも見つけてください!」
そう言ってくる生徒に、私は笑顔でこう答える。
「もちろん!でも、スイッチを押すのは君自身だからね。」
やる気スイッチは一人ひとり違う場所にある。
だからこそ、私たち塾講師は探偵のように生徒と向き合い、
信頼関係を築きながら一緒に成長していくのだ。
そして、いつか全員のスイッチをONにすることが私の使命だ。
今日も塾の一室では、やる気スイッチ探偵の物語が続いていくのだ。